大阪ひがし幼稚園は至近の敷地に仮園舎を設け、既存敷地に改築されることとなった。設計に当たって、次の2つのコンセプトを掲げた。
1つは子ども達のために、園舎内外が一体化し、のびやかで、かつ、新しい発見や様々な体験ができる多様性のある活動空間を実現すること。
もう1つは園長の記憶の深層に焼き付けられたどこか懐かしい異国の街のフォルムを時代や流行に左右されない建築デザインとして、開園以来の園舎が建つ敷地に、その場にふさわしい理想の園舎として再生させること。
具体的には前述の活動空間の特筆すべき部分として、明るく開放的な廊下や青空広場に見ることができる。後述の意匠としては、スタッコ壁の窓廻りの陰影表現や、各種のアイアンワーク、ステンドグラスや、園庭に対して威圧感を和らげるためのセットバックした勾配屋根に見ることができる。

2012年5月撮影
Photo Forward Stroke Inc.